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歯周病治療で、 たった0.4%の奇跡

2025年09月05日 [歯科予防アーカイブス]

神恵内村のみなさま、こんにちは。歯科医師の萩野です。

「健康診断で血糖値が高いって言われたけど、特に体調は悪くないし大丈夫かな?」
そんなふうに思っていませんか?

実はそれ、境界型糖尿病(糖尿病予備軍) と呼ばれる状態かもしれません。
まだ“病気”とまではいかなくても、放っておくと将来ほんとうの糖尿病に進んでしまう危険なサインなのです。

今日は、歯ぐきと体の健康について、ちょっと大切なお話をしたいと思います。

 

 

インスリンってなに?

糖尿病の治療で大事なお薬といえば「インスリン」。
インスリンは、食べ物から作られるブドウ糖を体の細胞に届けるための「鍵」のような役割をしています。

この鍵がちゃんと働かないと、ブドウ糖は血液の中に残ってしまい、血糖値がどんどん上がってしまいます。
境界型糖尿病のときは、この鍵がちょっとサビついて効きにくくなっている状態――これを インスリン抵抗性 といいます。

そして、この「鍵」を弱らせてしまう大きな原因のひとつが タバコ なのです。

 

歯周病もインスリンの邪魔をする?

神恵内村には、長くタバコを吸っている方も少なくありません。
タバコは歯ぐきの血流を悪くして、歯周病を進めてしまいます。

でも、歯周病はお口の中だけの病気ではありません。
歯ぐきの炎症が全身に広がり、インスリンの働きを邪魔する物質を出してしまうんです。

つまり、タバコを吸っていて歯周病をそのままにしておくことは、インスリンの鍵をどんどん壊してしまうことにつながります。

 

歯周病治療で、たった0.4%の奇跡

「でも、タバコをすぐにやめるのは難しい…」
そう感じる方も多いと思います。長年の習慣を変えるのは、たしかに簡単なことではありません。

でも大丈夫。タバコをやめられなくても、できることがあります。
それが 歯周病の治療 です。

アメリカ糖尿病学会の研究では、歯周病治療をすると血糖値の目安である HbA1cが0.4%改善する ことがわかっています。

「0.4%ってちょっとだけ?」と思うかもしれませんね。
でも、この0.4%は、境界型糖尿病の人が糖尿病になるかならないか――その分かれ道になる大事な数字なんです。

健康診断で「血糖値が高い」と言われた方にとって、この0.4%は将来を変えるきっかけになるかもしれません。

 

歯ぐきの治療は、あなたへの健康貯金

歯周病治療は、体の中で炎症を起こす原因を減らして、あなたの自然な力を取り戻すお手伝いをします。
薬に頼らず、副作用の心配もなく、血糖値をよくできる方法のひとつなんです。

長寿の村で、これからも元気に暮らしていただくために――
まずは歯ぐきのチェックから始めてみませんか?

神恵内村歯科診療所は、いつでもみなさんと一緒に歩んでいきます。

 

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参考文献
American Diabetes Association (ADA). Standards of Medical Care in Diabetes—2019.

Diabetes Care 2019;42(Suppl. 1):S1–S193.