神恵内村の皆さんは、「歯の健康が、医療費にまで関係する」という話を聞いたことがありますか?
実は最近の研究で、歯の状態が良い人ほど、医科の医療費が安くなるというデータが明らかになりました。私たちのような小さな村こそ、この事実を真剣に受け止める必要があります。
科学が証明した「歯の本数」と「全身の健康」の関係
2023年11月、香川県が発表した「健康と医療に関する実態調査」は、医療と歯科の現場に大きな衝撃を与えました。
この調査によると、
・歯が20本以上ある
・歯周病が軽度以下である
・定期的に歯科検診を受けている
この3つの条件を満たす人は、そうでない人に比べて、医科診療費・調剤費・歯科診療費を合わせた総医療費が統計的に有意に低いという結果が出たのです。
しかも驚くべきことに、「歯が20本以上・歯周病が軽度以下」の人では、
糖尿病や虚血性心疾患(心筋梗塞など)の診療費までもが有意に低いというのです。
これは、歯周病と生活習慣病(糖尿病・心臓病など)の間に強い関連があることを、日本の自治体調査として初めて明確に示したエビデンスでもあります。
神恵内村だからこそ、今こそ「口から守る地域医療」を
神恵内村では、喫煙率が全国平均より高く、歯周病や糖尿病のリスクを抱える人が多い現状があります。
しかし、人工透析など高額な医療に割ける予算は限られ、病気が進行してからの医療では「手遅れになることもある」という、構造的な問題を抱えています。
だからこそ、この村でこそ、「口から始める健康管理」が何よりも有効なのです。
歯科は“最後の砦”ではなく、“最初の予防線”
虫歯や歯周病を治療する場所と思われがちな歯科ですが、今やその役割は「全身の健康を守る第一線」に変わりつつあります。
口の中の異変は、全身の異変の“のぞき穴”。
歯周病は「沈黙の病気」とも呼ばれ、自覚症状が出る頃には重症化していることが少なくありません。
ですが、早期に見つければ生活習慣の改善と合わせてコントロールすることができます。
あなたの一本の歯が、村の未来を守る
神恵内村のような小規模自治体では、一人ひとりの健康状態がそのまま地域の医療財政に直結します。
「自分一人ぐらい歯医者に行かなくても大丈夫」ではなく、
「自分一人でも健康になれば、村全体が守られる」という意識に変えていくことが大切です。
まずは“歯のチェック”からはじめましょう
- 歯が何本残っているか知っていますか?
● 歯ぐきが腫れていませんか?
● 最後に歯科検診を受けたのはいつですか?
たとえ痛みがなくても、“何もないから行かない”ではなく、
“何もないことを確認する”ために、歯科を受診してください。
それが、自分自身と、神恵内村の未来への、小さくて大きな投資になります。
> 診療案内
【萩野院長からのアドバイス】
「歯医者は歯が痛くなったときに行く場所」
そう思っている方が多いのではないでしょうか?
けれど、実際には“何もないときに行く”ことこそが、将来の大きな病気を防ぐ最大のチャンスです。
特に歯周病は、気づかないうちに進行する“静かな病気”。気づいたときには手遅れ、ということもあります。
だからこそ、定期的に歯科健診を受けることが何より大切です。
神恵内村の皆さんには、どうか「予防のための歯科」を身近に感じてほしいと思っています。
気になる症状がなくても、ぜひ一度、気軽にご相談ください。
その一歩が、ご自身の健康とこの村の未来を支える力になります。